宝塚暮らしとやさしい時間

カフェや美術館、お出かけのこと。 おやつと日々のことも。 宝塚の住人です。

タグ:2019年美術展

先日、京都国立博物館「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」へ行ってきました。


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過去最大の31点が一堂に会した今回は、とても話題になっていたせいかたくさんの人で賑わっていました。


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鎌倉時代13世紀ごろに描かれた800年前の歌仙絵は、絵巻のままで残っていたら間違いなく国宝だっただろうと言われる貴重なもので、歌仙絵がバラバラにされた切断事件から100年。
そのうちの31点ですから過去最大規模の終結です。
まさに奇跡の再会!!


長い流転の先に歌人の肖像と和歌が1枚に描かれた絵巻の傑作は売りに出されることになりましたが、高額になりすぎたため買い手がつかず、1919年(大正8年)当時の財界人や茶人らは一歌仙ずつを切断し、共同購入することに決めました。
誰がどれを購入するかはくじで決められました。
でも切断したことで海外への流出が免れたことは本当によかった。
そんな切断事件の成り行きを後のインタビユーなどから当時の様子を丁寧に解説していたのも興味深い展示でした。


美しい和歌は本当にため息がでます。
制限のある字数五七五七七の中に数々の和歌の技を駆使して心情をうたうなんて、本当におもしろい!
学生の頃はあんなに苦手だったのに(笑)
そして隣に添えられた詠人の肖像画は繊細なタッチで、人物の目線に込められた不安定な心情や吹いている風も感じられます。
十二単をまとう小大君(こおおきみ)は美しかった。


巻物だった歌仙絵は分割された後にそれぞれが掛け軸に。
またその表具の艶やかなこと!
切断したことで裂(きれ)とのバランスや和歌の内容と関連づけた柄など、美意識の高い一つの芸術になったのですね。
趣向を凝らした掛け軸の美しさも見どころの一つでした。


古の名品は多くの人の努力がなければ、売却や戦争の流転の先にこうして観ることはなかったのだと思うと、歌仙絵だけでなく建築や美術品全てにおいて、古くから守られて現在観ることができるものこと全てに感謝ですね。
素晴らしい歌仙絵とともに長い流転のドラマを堪能しました。



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少し前に国立民族学博物館「驚異と怪異」に行ってきました。



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この世の中のどこかにいるかもしれない不思議な生きもの。

世界の霊獣、幻獣、怪獣が一堂に集められた展示はやっぱりおもしろい展示でした。

昔の人は情報がない分想像力豊かだったんだなぁ。

そして得体のしれないものを楽しんだり崇めたり。

世界の人魚、龍、天馬、有角人、変身獣などなど集めて観ると圧がすごい。

文化や宗教的に日本とは違った感覚の世界の異形のものはみていると新鮮!

特に私メキシコ好きだわって気がついた。

南米、特にメキシコ、ペルーあたりの展示は今後見逃さないようにしなきゃ。

新しい扉がまた一つ開きましたよ。 



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先日、「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」に行ってきました。
会期はまたもや終了しているけど覚書として。


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ショーン・タンはイラストレーター・絵本作家として活躍しながらアニメーションを手がけるなど、表現の場をますます広げているアーティスト。

 移民をテーマに5年の歳月をかけて描いた「アライバル」の原画がたくさん並んでいて、細密な絵を堪能しました。
「アライバル」の立案から絵コンテ、原画と試行錯誤しながら完成へと進んでいく制作過程もわかる絵本好きには楽しすぎる美術展でした。

一コマ一コマを一度絵コンテ通りに写真を撮って、その通りに精密に描くことでリアリティーが増しているコマ割りの表現はアメコミの手法を取り入れているそうですよ。

リアリティーがあるからこそ、どこでもないどこか。
どこでもあるどこかかもしれませんね。

登場する得体の知れない生き物は、可愛いではない優しさと温かさを感じられるのが魅力的。
そして孤独さえも感じる。

発想の面白さやメッセージ性のあるストーリーも、大人が観て充分に楽しめるショーン・タンの絵本の世界を楽しみました。



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「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」
2019年9月21日(土)〜10月14日(月)
美術館「えき」KYOTO 

先日、「メアリー・エインズワース 浮世絵コレクション」へ。
もう、会期は終了していますが覚書として。

大阪市立美術館8月10日(土)〜9月29日(日)の間開催していました。


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メアリー・エインズワースは1867年から1950年にアメリカで生きた女性です。
アメリカ人女性というだけで日本の浮世絵とはなかなか結びつきませんが、明治39年(1906年)に来日したことがきっかけで集め始めたといわれています。

エインズワースが39歳の時に訪れた明治の日本。
きっとアメリカから来た女性にとって想像するよりも刺激的だったでしょうね。


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25年にわたり集められた浮世絵はその数1500点。
その中から選りすぐりの200点を今回は観ることが出来ました。
その過半数が歌川広重。
「東海道五拾三次之内」から晩年の作品までと、保存状態も良く美しい色の状態で遺されていました。

初めての里帰りとされる浮世絵も散り散りバラバラになって、戦争や災害で散逸することを考えると、アメリカで大切にコレクションされてよかったのかもしれませんね。

歌川広重の「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」は他のバージョンのものよりも色が好きです。
ゴッホが模写したといわれる「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」も。
同じ浮世絵でも摺った時期が早い方が作家の意図が反映していたり色が違ったりと、微妙な違いがあるのも面白いところ。

エインズワースの愛した広重の世界を堪能できる美術展でした。





「メアリー・エインズワース 浮世絵コレクション」
大阪市立美術館
8月10日(土)〜9月29日(日)






 

先日「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展に行った時に、同じ伊丹市立美術館にある柿衛文庫の特別展「蕪村の手紙」展へ。

柿衛文庫の開館35周年記念の特別展なのだそうです。

与謝蕪村といえば1716年から1784年の江戸時代を生きた俳人であり画家。

蕪村の生涯の中でしたためた手紙を中心に、画や俳句の作品も紹介しています。


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今と違って書簡でやりとりをする時代。
絵文字はなくとも手紙の文や文字の個性から、蕪村の心の内を伺えます。

娘を思う家庭人としての蕪村。
「奥の細道」画卷ができた時の喜び。

手紙の中にその時の感情もそのままに生き続けていました。

逸翁美術館で観た「又平に」にもまた会えて満足。

公開は10月20日(日)までです。




特別展 開館35周年
「蕪村の手紙」
柿衛文庫
2019年9月7日(土)〜10月20日(日)

 



 

ちょっと前ですが伊丹市立美術館の「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展に行ってきました。

楽しみにしていたルート・ブリュック。
フィンランドを代表するセラミック・アーティストの日本初個展とあって、ファンは心待ちにしていたのでは?


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この少し前に「フィンランド陶芸」展でもルート・ブリュックを観て気分は幾分上がっていたのでなおさらです。

ルート・ブリュックはフィンランドの名窯アラビアで50年もの長い間活躍してきた女性アーティストです。
女性ならではのやわらかい感性、北欧フィンランドを感じるような透明感、釉薬の繊細な色の組み合わせは、可愛いだけじゃなくて作品の奥になにか物悲しいような寂しさも感じられて惹きつけられます。

わたしは特に陶版が好きで、その作品がストーリーのなかの一部のように感じられて想像力をかきたてます。
一つの作品に広がりを感じる、そんなところが魅力的なんですよね。

いつまでも観ていて飽きない作品の連続でした。


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「都市」1958年

こちらは入り口に展示していた作品。


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小さな微妙に違う色のパーツを組み合わせて、どこを切り取っても表情が違います。
となり同士の色が響き合って場所場所で違った表情をつくっているのがなんとも楽しい!

特にブルーの場所が好き。

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少し前になりますが、大阪の国立国際美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への旅」展に行ってきました。



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気分は「クリムト展」で盛り上がっての「ウィーン・モダン」展。
クリムトの時代背景やクリムトを生み出したウィーンをもっと知りたくなってのタイミングだったので観ていても本当に楽しめました!

それにしても艶やかなウィーン。
なぜあんなにも艶やかなのかがわかった気がする美術展です。

クリムトやシーレと同時期に19世紀末から20世紀初頭にかけて花開いた芸術家たちと建築家や音楽家。彼らの美しい仕事をウィーンの歴史の変遷とともにみていくと、芸術はやっぱりその時代の政治や社会の動きが密接に関わっていて、そこももっと勉強しないとなって思いました。

女帝マリア・テレジアや皇后エリーザベト、ハプスブルグ家の栄光から終焉、そして路面電車や地下鉄が発展し、建築家オットー・ヴァーグナーがウィーンの都市デザインを計画した時代を4章に分けて追いかける今回の美術展。

クリムトが愛した女性を描いた「エミーリエ・フレーゲの肖像」は、結婚はしなかったけど本当に愛していたんだろうなと感じるくらいに凛とした美しいエミーリエ。
観ているこちらがドキドキするほど素敵でした。



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この作品だけ撮影可です。


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シーレ「ひまわり」ははじめに観たときその魅力がわからなかったけど、あとになって思い出すのはこの作品でした。
何か引っかかるものを残す絵です。
ゴッホのように美しく咲き誇る生命力溢れるひまわりではなくて、大地に立ったまま立ち枯れている、いわば死を連想させるひまわり。
 縦に長いカンヴァスは浮世絵の影響といわれていますがおしゃれです!





あと興味深かったのは「ウィーンのフリーメイソンのロッジ」
その集会の絵の中にはモーツアルトが描かれていて、モーツアルトがフリーメイソンのための曲を残しているのもおもしろいですね。
小さな絵ですが結構ツボです。



モーツァルト:フリーメーソンのための音楽
シュライアー(ペーター)
ユニバーサル ミュージック
2016-03-16




艶やかだけじゃないこの時代のウィーン。
近代に近づく時代って日本もですがおもしろい。

好きです。




 

 











 

楽しみにしている年に1度の「2019 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」!
先日、西宮市大谷記念美術館へ行ってきました。


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 イタリアのボローニャでは年に1度、子どものための本の見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」が開催されていて、世界各国のイラストレーターが作品を応募しています。


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5点1組のイラストを応募する公募展で、今年は62カ国2901作品の応募。
そして今回の原画展では27カ国76作家全ての入選作を観ることができます。
その中にはなんと日本人が10名も!
なんだかうれしい!


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入り口を入ったところにあるパネルは毎年変わりますが、今年の絵はイケガミヨリユキさんの「石のこえ」。
ふわふわ踊る女の子のキュートな絵に、入り口に入った途端癒されました。

絵を見るときに気になるのは、絵が描かれた技法とそして出身国。
水彩、色鉛筆、刺繍、デジタル・・・。
特にアナログとデジタル技法の両方を使う作家さんは年々増えています。
またお国柄が出ているのも楽しい。
韓国、ロシア、フランス・・・。
年齢も性別もさまざま。

5枚の絵と短いストーリーにはメッセージが凝縮されていて、子供向けとは言え大人の方がその奥に隠されたメッセージを読み取ることができるので楽しめると思います。
伊達に長いこと生きていません。

5枚のストーリーはほのぼのするもの、大人にも刺さるもの。
これだけの数があるのにどれも似ていないのがおもしろい。
個性があってどれも素敵な作品です。

飛び出るほどの作家のエネルギーと感受性が溢れる5枚の作品。
整然と一列に並べてある作品を観るのは、こちら側も心を研ぎ澄ませて見ないと大事なメッセージを見落としてしまいそう。


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かわいいだけじゃない作品こそおもしろい。
そして自分のお気に入りを探すのもおもしろいですよ。


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少し前ですが、あべのハルカス美術館の「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」に行ってきました。

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幻想的な内面世界を描くモローの、主に女性に焦点を当てています。

今回はその中でもサロメを観るのが楽しみでした。

「出現」は宙に浮かぶ聖ヨハネの首が衝撃的な作品ですが、実際に絵の前に行くと細かいところも気になって動けなくなってしまいました。


ギュスターヴ・モローが描くファムファタルは美しいだけではない悪女です。
ファムファタルとは男を破滅される悪女のことですが、サロメはそれまで母親にそそのかされた哀れな女のイメージだったのを、モローの描くサロメは目の力が強くて意思が強くて主体的な女を描き出しました。
それがモローの女性観だったのでしょうか。

モローの母親への愛も気になります。
モローが心から愛していた母。
そして恋人。
モローにとっての女性。
モローが描いたファム・ファタル。


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幻想的な絵の中に答えを探そうとする。
そんな楽しい美術展でした。


「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち 」

2019年7月13日(土)~ 9月23日(月・祝)

あべのハルカス美術館


 


先日、大阪の中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館「フィンランド陶芸」展と、そして合わせて開催されている「マリメッコ・スピリッツ」展に行ってきました。

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フィンランドの陶器やマリメッコの魅力をじっくり感じたい!
そんな私にもってこいの美術展です。

美術館の中は若い方や外国の方も多く、全ての作品が写真撮影OK
皆さん熱心に撮影をしていました。
美しいものを目の前にして、写真を撮りたくなるのは当たり前かもしれませんね。

アラビア製陶所の設備が整った環境で育ったたくさんのアーチスト。
ビルゲル・カイピアイネン(1915-1988)や、ミハエル・シルキン(1900-1962)ルート・ブリュック(1916-1999)は色彩豊かで物語性のある作品を数多く生みだしました。

今回一番観たかったのは陶版。


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ルート・ブリュック
陶版《聖体祭》
1952-1953年
アラビア製陶所


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ビルゲル・カイピアイネン
レリーフ(洋梨)
アラビア製陶所


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ルート・ブリュック
陶版《草むらの3羽》
アラビア製陶所


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ルート・ブリュック
陶版《勇者サンプサ》
アラビア製陶所


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ルート・ブリュック
陶版《静物(ピッチャーと魚)》
アラビア製陶所


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ルート・ブリュック
陶版《イースター・エッグの箱》
アラビア製陶所


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ビルゲル・カイピアイネン
彫像《ビーズバード》
アラビア製陶所


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ビルゲル・カイピアイネン
彫像《フラワーツリー》
アラビア製陶所


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ビルゲル・カイピアイネン
飾皿(テーブルのある部屋)
アラビア製陶所

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アルフレッド・ウィリアム・フィンチ
花瓶
アイリス工房


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アルフレッド・ウィリアム・フィンチ
花瓶
アイリス工房


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ピルゲル・カイピアイネン
飾皿(果実)
アラビア製陶所


マリメッコのテキスタイルも。

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マイヤ・ロウエカリ(1982-)
桜の花の雨
2017


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マリメッコの独創的で力強いデザイン。
観ていると元気になりますね。

時代を超えて愛され続ける、その訳がわかった気がしました。

大阪市立東洋陶磁美術館での開催は2019年10月14日(月・祝)までです。

そして、楽しみにしている「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展も楽しみです。



 

 
 

少し前になりますが「ヒグチユウコ展 CIRCUS」にいってきました。

神戸の六甲アイランドは久しぶり。
子供が生まれる前はまだ西宮にガーデンズは無く、よく一人でドライブがてら映画を観にきていました。
お腹が大きくても運転して観にきていたのは、今思えばマタニティーブルーを払拭するためだったのかもしれません。
 

この日は電車を乗り継いで、のんびりと六甲ライナーに乗ってやってきました。

 

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六甲ライナーのアイランドセンター駅を降りてすぐ目の前に神戸ゆかりの美術館はあります。

 

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入り口にはワクワクするような、これまで絵本で親しんできたヒグチユウコさんのかわいい絵がお出迎えしてくれました。

 

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美術館の展示入り口には CIRCUSの書き下ろしが。

美術館に入るとそこには細密なキャラクターの絵が並んでいました。
今にも喋り出しそうなキャラクターたち。
ヒグチユウコさんの作品といえば猫のボリスたちを真っ先に思い浮かべます。

猫のボリスや猫の体に蛸の足をはやしたギュスターヴくん、そして少女、きのこ、奇妙で可愛い空想の生き物たち。

人間のように悩んだり泣いたり皮肉を言うキャラクターたちは、かわいいだけではない毎日悩んで生きている私たちの分身かもしれませんね。
 私の空想の中でもおしゃべりしそうなくらい独り歩きしちゃっています(笑)

 

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ギュスターヴくんのジェンカ?
そういえば若い子ってジェンカって知ってる? 

 

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フォトスポットスペースで気になったコレ!

 

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滋賀県出身としてはとっても気になる〜!
滋賀県でよく見かける飛び出し坊や。
日本で飛び出し坊やの設置数が滋賀県は日本一なのだそう。
うちの近所にもたくさんあったなぁ。
おしゃれな飛び出し坊や。
グッズあったら欲しい。

 

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そして、お楽しみのミュージアムショップではポストカード、神ミイル茶、ヒグチさん愛用ホルベインのイラスト入りペンをゲット!


ときどき家で眺めながら余韻を楽しんでおります。

今回の美術展はヒグチユウコさんの初めての大規模展として、約20年の画業の中から700点以上の作品を楽しむことができます。

全国で巡回されるようなので、皆さまもぜひ行ってみてくださいね!

神戸ゆかりの美術館は 2019年9月1日(日)まで。


 
 

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